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無題

車の中でミュージカルのCDを聴くのが好きです。「レミゼラブル」「ライオンキング」「マンマミア」と「ウィキッド」のローテーションです。

中でも最近は「ウィキッド」が気分で、こればかり何度も聞いているのですが、そのCDの「6曲目」 に収録されている「Dancing Through Life」という歌を歌っている役者さんの声がとても素敵で、一体どんな役者さんなんだろう?と思い調べてみたら、ブロードウェイ「ウィキッド」のオリジナルキャストでFiyrto役を演じたNorbert Leo Butzというお名前のトニー賞も受賞されている役者さんであることがわかりました。

そこで早速Youtubeで検索して、そして見つけたのがこれです。私も「ウィキッド」は鑑賞しましたが、オリジナルキャストではなかったので、ああ、彼の歌声を生で聞いてみたかったわ、とつくづく思ったのでした。


Show Clip - Wicked - "Dancing Through Life ...

そして、ある日の午後、こうしてどんどん彼のビデオクリップを鑑賞していくなかで行き当たったのが、これでした。

The Angel Band Project - Goodbye - performed by ...

注釈には「Stirring tribute to rape and murder victim, Teresa Butz, performed by her brother the Tony-award winning, Norbert Leo Butz. This track is part of a compilation album. All proceeds benefit survivors of sexual violence through The Voices & Faces project.」と書かれています。
つまり、 Norbert Leo Butzさんが、レイプ殺人で失ったお姉さん(あるいは妹さん)のためにささげた歌、というわけです。

そして、私は、Eli Sandersという優秀なエディターがこの悲劇的な事件を取り上げ、ピューリッツァー賞を受賞したという「The Bravest Woman in Seattle」と題された、「The Stranger」というシアトルの雑誌に掲載された記事にたどりつくことになりました。

二人の女性が恋人同士として住んでいたとある家に、深夜、裸の男が侵入し、二人を冷酷無残にレイプした上に、ナイフで切り裂くなどの暴行を加え、結果、一人が死亡(これがNorbert Leo Butzさんのシスター)、大怪我をしたものの生き残ったもう一人が、事件の証人として、法廷で発言する様子が生々しく描写されています。法廷にいたベテラン弁護士が「こんなに立派な証人証言は未だかつてないほどだ」と思わずもらした、というほどに鮮明なそれは、読む者の心に悲しく響きます。

「The Bravest Woman in Seattle」

ブロードウェイミュージカルから、思わぬ結末へ。
あえて「無題」としたのは、そういう気持ちからです。