魔女の町セイラム
ボストンでお友達一家と分かれてから、魔女狩りが行われたことで有名な町セイラム(Salem)へ立ち寄りました。中学生の時、これをテーマにした感想文を書いて以来、ずっと気になっていた場所でした。
町中いたる所に「魔女」に関するいろいろな博物館や展示場があるのですが、ホテルの人に進められてまずはここ「Salem Witch Musuem」へ。1962年当時、どうやって無実の人々が魔女に仕立て上げられていったか、どんな風に「魔女狩り」「魔女裁判」が行われていったのかを詳しく説明してくれています。入り口では日本語のテープも無料で貸し出されていて、複雑な説明を理解する手助けをしてくれました。
この時代の様子は、この映画を見るとよく分かります。登場人物も事実上のものです。
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次に見学したのは「Cry Innocent」という、Gordon Collegeの学生によるパフォーマンスです。これは当時の裁判所を舞台にして、学生たちが事実上の人物を演じるお芝居。ブリジット・ビショップという実在した女性が「魔女」として囚われ、数々の証人達に追及されていく様子が再現されています。そしてこのパフォーマンスの見所は、観客として座っている私たちも陪審員としてその裁判に参加できること。会場からは数々の質問が飛び交い、それぞれの役者は当時の人物になりきったままでその質問に答えてゆきます。そして最後に裁判長が私たち観客に多数決の意見を求め、今回私が参加した回では、無事ブリジットは無罪で釈放されるというストリー展開になりました。しかし残念ながら、歴史上の事実ではこのブリジットが魔女裁判で最初の絞首刑にかけられた犠牲者であります。
パフォーマンスが町の路上から始まって、そのまま会場に流れ込むという仕組みや、見学者も裁判に参加できるといった展開も面白く、1時間のパフォーマンス、たっぷり満喫できました。
正直なところ、私としてはセイラムの町全体の歴史的なシーンの再現や保存というのを期待していたので、町中が「魔女」をテーマに全く観光地化されていたので少しがっかりしましたが、それでもニューイングランドの古い町並みは興味深いものがありました。
古い建物といえば、これが作家ナサニエル・ホーソンの小説「The house of the seven gables(七破風の屋敷)」のモデルになったと言われているお屋敷です。
「破風(はふ)」というのは切妻や入母屋などにできる妻側の三角形部分の造形のこと。この屋敷にはそれが7つあったことからこう呼ばれています。館内は30分ほどのガイドツアーで回りますが、秘密の階段を上ったり、隠しドアを通り抜けたり、いろいろ面白かったです。私はこの小説を読んだことがなかったため、分からないところも多かったのですが、夫が言うには「小説の通りだった」というので、なかなかきちんと再現保存されているのだと思います。海に面したお庭がとにかくきれいでうっとりしてしまいました。
ナサニエル・ホーソーン Nathaniel Hawthone (1804-1864)
アメリカの作家。マサチューセッツ州セイラム生まれ。17世紀ニューイングランドの魔女裁判で有名な清教徒を祖先に持つ。4歳で父を失い母方マニング家の世話に。ボードン大学同級生にロングフェローやのちの大統領フランクリン・ピアスなど。38歳で結婚。メルヴィルに「アメリカのシェイクスピア」と讃えられる。ピアスと旅行中、死去。『緋文字』執筆までは短編を書きつづけていた。(短編集『トワイス・トールド・テールズ』1837年、『旧牧師館の苔』1846年、『雪人形』1851年、に収録)その後『七破風の館』(1851)、『ブライズデイル・ロマンス』(1852)、『大理石の牧神』(1860)と長編に比重が移動。幼いときに父を亡くし、暗く沈む母らとともにおじの家に寄宿して、屈折した子供時代を送ったホーソーンは、1つの価値に収斂しない奥深い洞察を繰り広げる。
と、もともとの旅の予定では、このセイラムが最終目的地だったのですが、「ヤンキーキャンドル」のフラッグシップストアが帰り道にあることを発見し、急遽そこで1泊することになりました。
フラッグシップストアというのは、その会社の根幹となるお店のことです。という訳で、着いてみてびっくり、「お店」というのでは言葉が足りないくらい、花が咲き乱れ、まるで公園のような風情。そして店内にはキャンドルのみならず、おもちゃからキャンディー、家具、お土産、クリスマスストア、もうなんでも売っているくらいです。カフェもレストランもピクニックエリアもあって、1日たっぷり過ごせます。
「1年中クリスマス」というコーナーがあって、素敵なデコレーションがされていました。もちろんサンタさんもいるんですよ!
これはドイツ製の手作りデコレーション。可愛い!と手に取ると、お値段は軽く$500を超えるものばかり。
騎士のお城のコーナーも
それからディズニーランド風のこんなショーもありました。
そして敷地内にはちゃんとしたレストランもあって、グルメなお食事も楽しめるようになっています。
お勘定と一緒に、小さなキャンドルが添えられてきました。う〜ん、感激。さすがヤンキーのフラッグシップストアです。
時間があったらもっといたかった、そんな場所でした。もちろん大量にキャンドルを買って帰ってきました!