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お出かけには手袋をはめて

先日オットが隣人夫婦を招いて一緒に、1960年に放映されたヤンキースの野球中継のDVDを見ていた時のことです。観戦に来ている人達がみな正装しているのに気づき驚きました。男性は会社に行く様なスーツを着ていてネクタイをしめ、女性は髪をきちんとカールして、ドレスを着て白い手袋までしています。
聞いてみると、当時はそれが当然のこと、家からどこかに出かける時は、それが単なる「お買い物」でも、ちゃんと正装に着替えて出かけたのだとか。女性はまだ「ズボン」なんていうものを着ることが許されている時代ではなくて、家にいる時は「ハウスドレス」と呼ばれる家の中用のドレスを着用し、外に出かける時は「お出かけ用ドレス」着替え、手袋は必需品。学校へ通う子供も、男の子はチノパンにシャツ、女の子もきちんとガーターをつけてソックスを履き、スカートとブラウスが定番だったそう。もちろんブルージーンズも当時はすでにあったそうですが、それはあくまでも「作業着」で、そんなものを女性が着るのはとんでもない!男性だって、ブルージーンズで外出なんてしなかったそうです。

しかし60年代の終わり頃から、その状況が変わってきます。女性もスラックスを履く様になり、ブルージーンズがカジュアルな日常着として徐々に生活に定着していきます。しかし現代のように男女限らず「どこでもジーンズでOK」とまではまだいかなくて、女の子たちは「カラージーンズ」というインディゴ以外の色で染められたパンツを履くようになっていったそうです。
そして今や高額な「おしゃれなブルージーンズ」なんていうものも当たり前に売られていて、「ジーンズでドレスアップする」なんて表現はファッション誌のお決まり言葉、よほど高級な場所でない限り、たいていのところはジーンズ着用で入れますし、作業着どころか日常着としてすっかり定着、大人も子供もジーンズ、ジーンズ。70年代に入るまで続いていたこうした「正装」の意識は、今となっては教会に行くときとか、イースターなどのホリデイにしか残されていないように見えます。

私は「おしゃれしてお出かけ」という時の気持ちの引き締まった感じが大好きです。しかし専業主婦になってからは「きちんと正装」といった機会はなかなかなくちょっと不満気味、だから私は普通のお出かけの時でも「プチ正装」を心がけています。と言うか、最近はジーンズとTシャツという格好では、どうも「ちゃんとした感」が出ないようになってきて、ものすごく普段着のおばちゃん風に見えているような気がしてならないのです。これも年をとったせいでしょうか。「どうでもいいや」と思い始めれば、どんどん楽な方に転がっていってしまうような気がするので、ここはやはり「いつまでも現役」を心がけて、60年代の主婦の気持ちを思い出して、「ちゃんと、ちゃんと」を心がけていけたらなぁと思っています。

と言うわけで、こんな映画はどうでしょう。当時のファッション、生活様式が垣間見れる作品です。

カラー・オブ・ハート [DVD]

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ちょっとオタクな少年デイビッド(トビー・マクガイア)と、双子の妹で、いい男に目がない今どきの娘ジェニファー(リース・ウィザースプーン)が、テレビのリモコンの故障が原因で、50年代の白黒ホームドラマ「プレサントヴィル」の中に入ってしまう。平和な毎日。カロリーたっぷりの食事。優しい両親、隣人に友人たち。すべての人が完璧なまでに善良で、失敗をしない。だがある時、白黒ドラマの世界に紅い花が咲いた。グリーンの自動車が走り始めた。ドラマの中の人々が恋や憎しみを知ったことから、秩序が保たれていた白黒の街は大混乱に。
『デーヴ』のシナリオで注目されたゲーリー・ロスの第一回監督作品で、50年代アメリカの象徴、白黒のホームドラマの世界に、今どきの少年少女が迷い込んだらどうなるか?というユニークな発想が冴えている。単に50年代の風俗を描写して90年代とのギャップで笑いを誘うのではなく、理想がすべて実現した架空の世界か、騒々しい現実に生きるのが良いか、という深淵なテーマを当時最先端のデジタル技術を駆使して描いた、ある意味哲学的な面を持つ作品である。いかにも50年代ホームドラマの父親役といった風情のウィリアム・H・メイシーの困った表情も味わい深いが、カラー化し、夫以外の男性に心を許してしまう母親ジョアン・アレンの控え目な美しさが印象に残る。アレンはこの作品での演技で、数多くの女優賞を受賞した。(Amazon.co.jpより)

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