気持の悪い映画

なんだかとっても嫌な映画を観てしまった。

息子が寝た後の静かな夜。映画チャンネルをガチャガチャとやっていたら、急に飛び込んできた日本語の台詞。なんだろう、と思っていたら浅野忠信が出ていた。インフォメーションで映画のタイトルをチェクすると「Ichi The Killer」と出た。聞いたことのない映画だ。

するとまもなく、殺人シーン開始。それもかなりえぐいやつ。新宿を舞台にした、やくざモノの映画らしい。浅野が演じるのは、かなり切れた男だ。

別に見続ける必要もなかったのだけれど、チャンネルをそのままにしてしまった。最初から見ていないので、ストリーはよく分からないのだけれど、とにかくスプラッターなシーンの続出。ただ、それだけ。

映画の気持悪いシーンを観て「食欲がなくなる」という気分を初めて味わったような気がする。気持悪さでお腹満腹。オエッと言いそうなくらいに。

後でネットで調べてみたら、日本では「殺し屋」というタイトルの映画らしい。原作はヤングサンデーに連載されて話題を呼んだ山本英夫の同名コミックで、それをこの手の作品を得意にしている三池崇史という監督が映画化したらしい。「超過激&ヘンタイムービー」とか呼ばれていたらしいから、まぁ、そうだよな、と思うけれど。

でも。

どうして、こんな変体映画がアメリカに「日本でヒットした映画」みたいにしてやってきてしまうのか。他にもっと優秀な映画はたくさんあるだろうに。こういう映画を観ただけで実際の日本を知らない人は、きっと間違った印象を持つに違いないと思うよ。本当に。

そういえば前にも同じようなことがあった。「オーディション」というタイトルの映画がやっていた。これも気持の悪い映画だった。石橋凌が出ていたので、気になって見始めたら後悔した。

「リング」とか「呪怨」とか、日本の映画が原作でハリウッド版になった映画もあるけれど、あれも別にストリーとしてはたいして面白くなかったし。

こうやってみると、日本の映画って「気持ち悪い系」がメインとかって誤解されてるんじゃないだろうかって、気になってしまう。

で、他の日本映画っていったら、一気に「座頭市」になっちゃうしなぁ。中間がないんだもんなぁ…。あ、でも、レンタルDVDには北野映画があったっけ。あれはどっちに入るんだろう。

でも、「座頭市」はいい映画だと思うよ。日本がいまだにあんな風な場所だって思われては嫌だけれど。