悲しいクレジット・ヒストリー

また、である。クレジット・ヒストリーがないからということで、私の欲しいものが手に入らなかったのである。

免許を取って以来、毎日「ブンブン」出かけてしまっている私なので、かねてから欲しいと思っていた携帯電話を「いよいよ買ったほうが良いわね」と思ったのである。オットとの連絡も楽だし、フリーウェイに乗ることも考えると、万が一には備えておいたほうがいいし。

そんな訳で、今朝ほど、はりきって某携帯電話会社のオフィスへ出向いたわけです。「エマージェンシーに備えてってことなんで、エコノミカルなプランがいいんだけど」というと、カウンターの男性店員は「それなら、$19.99で昼間は50分、夜は100分で、しかもドメスティックならかけ放題が含まれたプランがあるけど」という。なるほど、これはいいかも。東京で仕事をしていた時と違って、ここでは携帯電話を街中で使うチャンスなどほとんどないし、50分もあれば余裕だぁ、しかもドメスティックかけ放題はとても便利なはず。なんせオットが仕事で州外へ出かけると、滞在先でのホテルの電話代はばかにならないほど膨大なので、今後は携帯を使ってもらえばタダってことになる。これで毎月20ドルでいいなら、結構お買い得かも。と、頭の中で計算し「じゃ、このプランでいこうかな」と即決する私。買うと決めたら早いのだ。

「機種はこの4つがあるんだけど…」とカウンターの上に4機の電話を並べてくれる彼。「アメリカの携帯電話ってでかいよね〜」って聞いていたけど、最近はかなり進歩しているのでしょう。コンパクトなボディに仕上がっています。ただ、デザインはどことなく「アメリカン」、なんていうかうまく言えないんだけど、日本のとは違うなァ、というような。私はとにかく「エマージェンシー」のために使うのが目的だから、この際、みてくれよりも、コスト重視。で、一番安かった機種を迷わず選ぶ。

「じゃ、免許証みせてもらえるかな?」と、彼がフォームに記入しはじめました。住所、電話番号、生年月日などなど。ソーシャル・セキュリティー・ナンバーも記入し終わって、さて、というところで、彼がおもむろに電話をかけはじめました。これは日本でもよくある「照会」ってやつなんだけど、その時、ちょっと思ったのです。「もしかすると・・・・・」

やっぱりね。電話を切った彼、すごく申しわけなさそうに、「言いにくいんだけど、クレジット・ヒストリーがないので、デポジットをもらわないといけないんだ」という。不安的中。いわく、「デポジットで$500もらっておいて、1年の契約が終わったら返金ってことになるんだ。もしそれが納得できない、というのなら、ここではその手続きが出来ないから、シラキュースのメインオフィスへ出向いてもらわないと…」携帯電話ごときのデポジットに$500払う気などさらさらないので、「OK。分かりました。お手数かけました。」と言って、がっくりしてお店を出た私。

は〜〜〜、クレジット・ヒストリー。クレジットカード社会であるアメリカでは、このカードを使用してきた履歴がとても重要。その人の信用度をはかっている、とでもいおうか。毎月使用して、毎月返済していくことが、安定した収入がある良識人とでも判断されるのだろう。なるほど、これはごもっともです。

しかしながら、私のような立場の人間(オットがアメリカ国籍なだけでアメリカに住んでいて、職がない)がカード会社にアプリケーションを送ってみると、「クレジット・ヒストリーがないから作れない」とのお答えが、まず大抵は、当然の様に返ってくるのである。当たり前じゃ〜〜〜〜、「だってヒストリーはクレジット・カードがないことには築けないんだから!!!」と怒ってしまう。カードがあれば、ヒストリーが築ける。よって、社会での信用度が保証されて、さまざまなことが支障なく進む。携帯電話しかりね。でも、その第1歩のカードが保持できないんじゃ、話しにならいというものですよ。とほほ。

こういった悩みは、移住してすぐの人の間ではよく聞かれることなのですが、そういった場合は、日本でのクレジット・ヒストリーを移行してもらえるよう手続きをするとか(これが聞いただけだけど、かなり込入っていて、途端にやる気が失せた私…)、家にあるローンの名義を自分にしてもらって支払能力を証明していくだとか、なんかいろいろ方法があるらしいのですが…。面倒が先にたっちゃって。あ〜〜あ、いかんね。

そんな訳で、携帯電話ひとつ持つのに、いろんな障害があって、今日はちょっと悲しい気分の私なのです。