アリゾナ、フェニックスでバケーション:その1「タンチュラ体験」

5月の末から1週間ほど、アリゾナ州フェニックスへ出かけて来ました。「バケーション」と書いたけれど、実際はオットの仕事(ロイヤーが集まるカンファレンス)が現地であったので、私も同行したというのが本当の所です。でも、カンファレンスは3日間で、滞在は1週間だったから、自由な時間はたっぷりあって、今回は本当にいろいろと楽しめました。

さて、一番最初に驚いたのが現地の暑さです。「砂漠だから暑いからね〜」とは聞いていたし、だから心して出かけたはずだったのに、初日は暑さのために頭痛がしたほど。だってね、111F度だよ〜〜。これって換算表によると43.89C度ですからね。そりゃ暑いってば。でも砂漠のお天気はこうでなくちゃ。と、私は小学生の時に習った「サボテンの花咲いてる〜〜〜、砂と岩の西部〜〜〜」なんて歌を口ずさみながら、早速現地の砂漠に繰り出すジープ・ツアーに参加したのでした。

このツアーはかなり一般的なようで、ホテルのコンシェルジュに聞けば大抵すぐに予約を取ってくれるようですね。カウボーイ衣装に身を包んだガイドに連れられて、かなりワイルドな乗り心地のジープに揺られ揺られて砂漠の観光に出かけるもので、私たちが参加したツアーは約4時間ほどで1人$75。砂漠に着くまでの間は、アリゾナやフェニックスの歴史などの案内が冗談を交えてあって、砂漠に着いてからは、砂漠の植物サボテンや動物の説明がおもしろおかしくありました。

サボテンの話しと、それにまつわるネイティブ・アメリカンの話しもとても興味深かったのですが、なんと言ってもここでの一番の見物は、野生のタランチュラかな。タランチュラは毒性が高い危険なクモ、との認識があったのですが、聞いてみると、こちらから攻撃しない限り決して人間を襲ったりはしない実に穏やかなクモなのだとか。メスは体がやや小さめで全身が茶色の毛で覆われていて、オスは黒い毛で覆われているとのこと。巣は地面に穴が掘られて作られていました。その穴の入り口には白いコットン状のいわゆる「クモの巣」が。ガイドのジムはその穴へお水を垂らしていきます。なんでも水が嫌いなので、驚いて巣から這い出してくるらしい。と、這い出してきたところをおもむろに手に取るジム。げ〜〜〜〜、ホンモノのタラチュラだ!デカイ!10センチはあるな。しかも毛深い!おおっと、毛が茶色だから「彼女」だな。と、びびりまくって後ろづさりする私に追い討ちをかけるかのように、さらにガイドのジムったら、そのタランチュラにキスをし、まるで猫を撫でるように毛深い体を撫でまくっている。うう…。でも驚いたことに、タランチュラは実に大人しく手のひらに納まっているのでした。

で、ここからがこのツアーの本当の見せ場ね。ジムったら、頼んでもいないのに、このタランチュラを私たちにも触らせてくれる、というではないですか。いらん!!そんなものいらん!自慢じゃありませんが、私は昆虫とか、蝶とか、そういうものは一切ダメ。米粒ほどのクモだって飛びあがってしまうって人間です。それがこんなでっかい毛深いクモを、いっくら砂漠に来た記念だからって言ったって、この自分の手のひらにのっけてあげようなんて気はこれっぽっちも湧かないってものよ。しかもさ、「絶対刺したりしないなんて言ってるけど、『絶対』なんて保証はあいまいだもん。万が一ってこともあるもんね」と、私は必死に「No thanks!!」と断り続ける。なのに、オットといったら「せっかくなんだから、触ってみたら?」とへらへら笑顔。「せっかくなんて思わないってば。これで触らなかったからっていって、後悔なんて絶対しないし」とさらに引きつり顔で断固拒否。

結局、オットだけがタンチュラを触る体験をしたのでした。ジムがそ〜〜っと、「彼女」をオットの手に移す。大人しくオットの手のひらに納まっている「彼女」。。。。でも、ちょっとだけ歩いている。うう〜〜〜、お尻がムズムズするよ〜〜。「なんか感じるの?」と聞いたら「すごい、軽い」って。へ〜〜、軽いのね。
私はあのたくさんの足が皮膚の上を動いていく感覚が勝手に湧いてきて、見ているだけなのにかなり寒かった。

こんな話しを、コートランドに戻ってきてからESLでしていたら、ボリビアから来ているハイミーがこういった。「うちのボリビアの家には、タランチュラなんてちょっちゅう出るよ。ガソリンをかけると死ぬんだよね〜〜」だってさ。ああ、私はボリビアには遊びに行けそうにありません…。