縄文柴犬
我が家には、生後5ヶ月になる柴犬がいます。
夏の初めに、それまで飼っていたゴールデンが13歳で急逝して
私はしばらく「犬はいいわ」なんて思ったりもしたのですが
結局すぐに、犬のいない生活はなんだか物足りないなぁと気付き
家族会議の結果、この柴犬が家族の仲間入りをすることになりました。
柴犬は私の希望だったのです。
前のゴールデンがとても大きかったので(60パウンド以上)
今度は小さめがいいな、と思ったのと
一度、洋犬ではない犬種を育ててみたかったのです。
和犬となると、アメリカではアキタがとても人気がありますが
サイズはさらにゴールデンを上まる大きさですから、それは無理。
柴犬はあの古風な見た目がかわいらしいし、大きさもひざに乗せるのにぴったり。
オットが、ペンシルバニアにいるブリーダーを探してきて、
メスの子犬を引き取ることになりました。
柴犬には、大きく3つのカラーがあります。
白系、茶系、黒系ですが、
これはオットの希望で黒系の子犬を選びました。
初めて彼女を見た時、正直思ったのです。
「あれ、これが柴犬?」と。
私が見知っている柴犬はもっと丸顔だったし、
もっとぽってりした印象。
彼女はすらりとしてて、顔も長く、なにより耳がとても長い。
この色のせいもあってか、
散歩に連れて歩くと、ほとんどの人が「シェパードの赤ちゃん?」と言いながら
駆け寄ってくるくらい、柴犬というより、確かにシェパードみたいな風貌です。
子犬だからかな?大きくなったら、もっと柴犬っぽくなるのかな?
と思っていたけれど、大きくなっても、全然柴犬っぽくならず
むしろ、どんどんシェパードみたいになっていくのです。笑
AKC(アメリカンケンネルクラブ)認定のブリーダーだったし、
彼女の両親も、血統書付きの柴犬だったので
まさか間違い?なんてあるわけもないだろうと思いつつ
でも、柴犬じゃないのでは?という思いが日々重たくなってきて。
オットと相談して、DNAテストを受けさせることにしました。
万が一、純血種じゃないと解っても、彼女がすでに我が家の一員であることには間違いなく、だから結果が出ても、現実的にはなにも変わらないのですが
ただ「このもやもや」をすっきりさせたいと思ったのです。
待つこと数週間。結果がきました。
なんと、先祖代々代々代々・・・・・まで、ずっとずっとずっと遡って、
両親どちらの側とも、一切他の犬種の交じりのない、れっきとした純血の柴犬であるということでした。
・・・・・
オットは単純にほっとした様子でしたが、
一方の私はというと、依然「もやもや」がすっきりしないままで。
心の中では「むしろシェパードでも混じってる」と言われた方が
ある意味「すっきりした」のでは、などと考えている始末。
だって。だって。
純血の柴犬って言うけど、じゃぁ、なんで、こんなに見た目が柴犬らしくないわけ?
(左が我が家の柴犬、右は日本の友達の柴犬)
オット曰く「だって、日本人だって、『日本人』とひとくくりにしたって、同じ顔の人はいないだろう?」。
確かにそうだけれど。
私は、柴犬のこういうまん丸なお茶目さを期待していたわけで。
いえ、うちのお嬢さんだって可愛いんですけど、ほら、丸くないのよね、なんか尖ってるの。笑
ただ、見た目とは違い、彼女、性格は柴犬そのものです。非常にスマートですが、警戒心があり、結構な頑固者。散歩なんて自分が行きたくなかったら、頑として動かないほど。
普段、私がなにかと忙しく、みっちりと一緒の時間過ごすことができないせいか、オットの言うことはよく聞くのに、私の言うことはちゃんと聞いてくれないので、
今朝、空いた時間がぽっとできた時に、訓練に関する情報を「日本語」でリサーチしていたら。
「縄文柴犬」という言葉を発見。
縄文柴犬?
初耳。
しかし!!!この言葉が私のこれまでのもやもやをすっきり吹っ飛ばしてくれたのです!!!
柴犬ネットさんの情報によると、
これまで私は全く認識しておりませんでしたが、なんと、柴犬には、2系統あるんだそう。
一つは縄文柴犬(柴犬保存会推奨)であり、もう一つが今風の柴犬(日本犬保存会保推奨)です。柴保は、保存すべき純粋な柴犬=縄文柴犬 と定義して、それを基本理念としています。
縄文柴の特徴は額から鼻筋にかかる部分(ここをストップといいます)が浅く、ほとん ど平坦で、面長で細い顔、まさにきつねの形に似た顔つきをしています。一方、現代のたぬき顔の柴は、前述のストップが深く、横から見た場合それがはっきり 分かる形になっており、頬が張って丸っこい顔をしていて、たぬきっぽい顔をしています。もうひとつ、違いをあげるとすれば、それは歯の多きさです。縄文柴はオオカミに近い ためか、たぬき顔の柴よりも若干大きくなっています。縄文柴は昔の犬に近い分、野性味をおびている、ということでしょうか。また体つきでいえば、縄文柴は 全身が引き締まっており、すらりとした細身の体をしています。一方、たぬき顔の柴は筋肉質のがっしりした体つきをしていますし、また首も太くなっていま す。
「きつね顔」の、この写真を見た瞬間、あぁ、これだ!うちの柴は、縄文柴犬だったんだ!と。
どんどん調べ進んでいくうちに、アメリカでも「Jomon Shiba」と呼ばれて
知っている人はちゃんと知っている犬種らしいことも解りました。
縄文時代から引き継がれてきた、天然記念物日本犬ということですから、
こりゃ、なんだか大切にしなくちゃだわ。
「まるっこいたぬき柴」に憧れてはいましたが、
なんだか急に、この血を途絶えさせてはならぬ!といった
使命感が湧き出てきました。笑