今朝の出来事

朝8時過ぎ。通勤途中の車で混雑する、住宅地を走り抜けるメイン道路。
その流れが急にスローになった。
何事だろう?
先の方に赤と青のライトが点滅するポリスカーが見えた。
事故か、と思った。
自分が進む方向とは反対の斜線に、トラックと数台の車が停まっている。
その隣をゆっくり通過しようかという時、
真っ白な雪が鮮血で真っ赤に染まっているのが見えて、息を飲んだ。
哀れな鹿が車にはねられて息絶えていた。
思わず動揺し運転する手が震えて、そして涙が出た。


そういえばしばらく前にはこんなことがあったのを思い出した。
市街地を35マイルほどで走っている時に、目端にチラチラと動くものが見えた。
さらに減速して見てみると、それはリスだった。
よく見ると、すでに車にはねられて微動たりともせず横たわっているリスがおり
そのリスは倒れているリスの手だか足だかを懸命に引っ張ろうとしているのだが
思うように行かないらしく、その周囲を途方にくれたように動き回っているのだった。
私は思わず車を停めようかと思った。
しかし私に一体なにができるというのだろう。
言いようのない悲しさに押しつぶされそうな気持ちのままその場を去るしかなかった。


この地域に暮らして随分と経つが、
こうした動物と人間の間で起こる事故の光景には未だに心が痛んでならない。
彼らは突然車の前に飛び出してくる。
ドライバーが急ブレーキに間に合えばいいが、
仮に間に合ったとしても、今度はその車が後ろの車に衝突されて事故になるということも考えうる。
また体の大きな鹿との衝突は、ドライバー側が死亡することも少なくないと聞く。
大自然と隣合わさった田舎暮らしでは、ある意味「仕方が無いことなのだ」と思うこむようにはしているが
それにしても、先日のリス、今朝の鹿の光景には随分と堪えた。
どうか自分は遭遇しませんように、と願うばかりだ。