見習わなくては

とある日の午後。お友達とウィンドウショッピングに出かけた。私としては特に買う予定の物がなくても、まず入り口では「万が一」に備えてショッピングカートをゲットするのがお約束。ところが彼女はカートも要らないどころか「財布、車の中に置いてきちゃった」だって。
そして私が店内をグルグル回って、ステインレス製の計量カップとスプーンのセット(取っ手部分に赤とグリーンのデザインが施してあって可愛い!)、4本もセットになったバターナイフ(それぞれが違う色のストライプになった陶器のハンドルが素敵!)、ラルフのポロシャツ2枚(息子のサイズ、ポロはやっぱりポロよ!)、可愛いデザインの子供部屋用カーテン(柄がとってもレトロで可愛い!)、フランス製のティースプーン6本セット(スプーンの先が微妙に丸いデザインでお茶目!)なんかをカートに詰め込んで、「いや〜〜ん、こんなに見つけちゃったぁ」とか言っている間に、彼女はお料理本を2冊くらい手にとって静かに「どうしようかなぁ」とか言っている。
聞いてみると、徹底して無駄な買い物はしない主義だそう。買うときも「3回は考えるの。で、結局要らないなって思うの」だそう。私なんて、3回どころか5回くらい考えて迷うけど、「ええい、買っちゃえ」ってなっちゃうもんな。しかも彼女は例えば新しい靴を1足買ったら「その代わりに手持ちの靴を1足処分する」らしい。ああ、耳が痛い。私なんて「ホーマーのイメルダ婦人」になれるくらいに靴を持っているのではないかと思う。

そっかぁ、と、彼女の横で小さなため息をつく私。そして彼女の視線は私のカートの中に注がれる。ちょっと弱気になって「これ、どうしよっかなぁ…、使うかなぁ」と彼女の目の前に品物をかざしてみる。
「本当に必要なの?」「もう持ってるんじゃないの?」「使わないなら買わない方がいいんじゃない?」
・・・・おっしゃる通りでございます。
計量カップとスプーンなんて、一体月に何回使うか?バターナイフだって4本もあってどうするの?息子のクローゼットには新品タグ付きの洋服がたっぷりぶら下がっているのじゃなかったっけ?子供部屋用カーテンって、1枚あったってどうしようもなくない?ティースプーンの先が丸いからってなんになる?

そして結局カートの底に残ったのは、野菜の皮を向くためのピーラー、クリアランスセールで$3なり。実は日本から後生大事に持ってきていた100円ストアで買った皮むき器のプラスティック製の取っ手が割れてしまっていて、ずっと前から「新しいのが欲しいなぁ」と思いつつ、割れた取っ手を握り締め野菜の皮を剥いていたのだ。これこそが私が本当に買わなくちゃいけないもの、必要なものではないか!

晴れ晴れとした気持ちでレジに向かう私。ありがとう友よ!
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新旧交代(でも、きっとこの100円のは捨てられないような気が…)