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レフト・オーバー

レフト・オーバーとは「残り物」のことです。アメリカのレストランで食事をされた経験のある方はご存知でしょうが、なんせサーブされる量が半端でなく多い、多すぎます。「でもアメリカ人は平気で平らげてしまうのでしょう?」と思ったら、それも正しい訳ではないのです。よくよく見ていると、年配の人や若い人、女性などは大抵食べきれずに残している様子。アメリカ人にとっても、あの量は決して「適量」というわけではなさそうです。

なので、ここでは食べきれず残ったものを持ち帰るのはごく当たり前のこと。大抵の店では「どんなものでも」バッグに入れて持たせてくれます。先日行ったレストランでは、デザートのクリーム・ブリュレまで容器に入れてくれて、これにはちょっとびっくりしましたが。

ところで、量と言えば、先日モーニング・ショーを見ていたら、アメリカ人の食べる量は、40〜50年前と比べると、とてつもなく増加しているのだそうです。例えば、40年代に使われていた一般的なディナー皿の直径は9インチ(約23センチ)が定番、これが今では11インチ(約28センチ)、あるいはそれ以上が普通になってきています。また店で売られているマフィンやクロワッサンのサイズも、明らかにビッグになっている。そして現代人はこれを「普通サイズ」として日常的に食べているのですから、肥満が問題にならないほうがおかしいといった現状です。

レストランによっては「ジュニア・サイズ」と言って、普通の量より少ないポーションをサーブしてくれる店もあります。でも大多数の店では、大盛りてんこ盛りが普通の量。パスタなんて頼んだ時には、一体何グラムのパスタを茹でたの?と驚かずには入られないくらい出てきます。

そんな訳で、外食した次の日のランチは、たいていこのレフト・オーバーで済ませることになります。最初の頃は「残り物のパスタ〜?」なんて思っていたのですが、まぁ慣れもあって今ではおいしく頂いてます。ラザニアなどは、実は次の日の方がおいしいのではと思うほどです。頂けないのはサンドウィッチ類。これはもうレフト・オーバーには大不向きです。パンが湿気てしまうし、野菜などの具はシオシオだし、とにかくまずい。我慢しても食べられません。

さて、アメリカのレストランでのメニューと言えば、ステーキは外せないでしょう。家ではあまり肉を焼かないこともあって、たまの外食時にはステーキ・メニューはどうしても気になってしまうものの1つです。でも「わらじサイズ」のステーキは到底食べきることなどできず、結局お持ち帰りになってしまうのですが、次の日のランチ時、この冷え切ったステーキを一体どうするか、と当初は悩んでいたのです。

というのも、私はステーキは「ミディアム・レア」派、超高級ステーキ・レストランだったら「レア」でもいいくらい。中がまだ赤いくらいの焼き方が好きなのです。ステーキ専門レストランにでも行かない限り、日本のステーキ肉のような美しく霜降りになったお肉などはまず期待できませんから、「いかにも筋肉でっせ」といわんばかりのビーフをなんとかそれなりにおいしく頂くためには、その焼き方が重要なポイント。そう気づいてからは、「ミディアム・レアで」とオーダーしたのに、すっかりウェルダンになったステーキが運ばれてきた時には、「これ焼きすぎなんですけど〜」と思わず文句すら言ってしまうほどです(ちなみにこういう場合は、すぐに新しいステーキが運ばれてきます)。

なので、通常のレフト・オーバーは、電子レンジに入れて温めるだけなのですが、ミディアム・レアのステーキに同じことをすると、どうしたってウェルダンに仕上がってしまう、これが嫌だなぁと思っていたのです。
で、ある時、思い切って冷たいまま食べてみました。するとどうでしょう、これがなんともおいしいのです。身がしまったというか、味がしまったというか、「オードブルのローストビーフ」みたいになって、いくらでも食べられる感じ。私はステーキ類にはホースラディッシュを必ず添えたい人ですが、これと一緒にサラダに乗せて食べると、本当に満足できるランチになるのです。

今では「明日のお楽しみ」っと、最初からわざわざ残しちゃったりするくらい。実は今日のランチもそうでした。今日のステーキはプライム・リブだったので(大好物)、さらに脂がのっていて美味でした。

味覚には個人差がありますが、勇気のある方は、是非お試しくださいませ。