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Lacy2006-08-14

昼食の支度をしている最中のことだった。
玄関の呼び鈴がなった。
ドアを開けると、見知らぬ女性が立っていた。

「これ、あなたの家の写真なの」と、彼女は数枚の古い写真を私に差し出した。
いつ頃撮られたものだろうか。モノクロの写真、少し色があせてはいるが、そこには現在私達が住んでいる家がはっきりと写っていた。

家そのものはあまり変わっていないように見えたが、後から増設されたと聞いていたように、やはりガラージの辺りは様子が違うし、現在のダイニングルームから出入りできるポーチは、元々玄関だった様子が伺えた。確かに。だってこのドアには大きな呼び鈴が付いているもの。驚いたのが、表玄関とその横にある玄関をつなぐようにして、ぐるっと囲むポーチがあったらしい事実。そうして、両隣の家が今と変わっていないのにもびっくりした。

彼女は「私の親戚がかつて住んでいたの」といい、よく聞いてみるとこの家を長く所有していたクランドール家の亡くなった奥さんとつながりがあるとのこと。

「この家のキッチン、すっごい小さいでしょ。彼女がとっても小さな人だったからなのよ。細くて小さな人だったの」
なるほど。

もっといろんな話を聞いていたかったが、彼女が散歩に連れて歩いてきたらしい1才の双子の兄弟が愚図りだしてしまったので、会話はそこでお仕舞いになった。

「私もホーマーの反対側に住んでいるの」というので、「じゃ、いつでも立ち寄ってね」といい名前は聞いたのだけれど、うっかり電話番号を聞くのを忘れてしまった。

それにしてもこういう出会いは思いがけない分、なんだか素敵だ。自分が今住んでいる家に、かつて住んでいた人が、あるいはその生活ぶりを知っている人が戻ってきてくれる。

この家が、過去に生きたいろんな人たちの思い出を温存しながら、今の私達の暮らしを見守ってくれている…。

もっときれいに掃除してあげなくちゃね。