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お葬式に出席

実は先日、日本の母と電話で「喪服」の話しをしていたのです。日本にいた時には、いざという時のために、と、一式ちゃんと揃えてあったのですが、こちらに来るときには持ってこなかったので、「そういうの、ちゃんと用意してあったほうがいいんじゃないの?」というのが母の意見で、私は「そうかもね」となんとなく答えていたのですが。なんと、その直後に、オットの姉のだんなさんのお母さんが亡くなって、急遽私もそのお葬式にでることになったのです。

結婚式には何度か出席したことがあったのですが、お葬式というのは初めてのことで、どんなことをするのか、どんな服装で出席すればいいのか、ちんぷんかんぷん。オットに「どうしようか?」と聞くと、「黒い服ならなんでもいいよ」と気軽な返事です。黒い服…なら、実はたくさん持っているのです。もともと黒や紺は好きな色だったのでワードローブの基本色もこれらが多いし、東京で仕事をしていた時に買いこんだスーツ類も一応全部こっちに持って来ているし(でも、ほとんど着るチャンスがないまま今日に至る)、正式な喪服じゃないけれど、それらしく見せることはできる位、いろいろ揃ってはいるのです。そこで急いでクローゼットを開けて、あれこれ引っ張り出してみましたが。…やっぱり。そう、このぽっこり腹にフィットする服は、もう一着タリとも見つからない有様で。じゃぁ、パンツのホックは止めないで上着で隠すか、とも考えたのですが、天気予報では「この夏一番の暑さ」と言われているなか、ただでさえ暑い妊婦にはスーツの上着着用なんてちょっときつそうです。仕方がないので、マタニティの黒いパンツの上に、白いシャツを合わせることにしました。さらにパールのアクセサリーも合わせてみたら、すっごくフォーマルじゃないけど、それなりにきちんとした印象には見えるでしょう。

と、当日、お葬式が行われる教会に到着して驚いてしまいました。「まさか、あの人はお葬式に出席するわけじゃないのでは?」という服装の人だらけだったのです。ピンクの花柄はいるは、もろ普段着といった黄色いTシャツはいるは、それから、それから…。日本のお葬式を思い浮かべると「黒一色」といったイメージなのに対して、こちらは「なんだかカラフル」なのです。「いろいろ悩んで損したわ」ってな気分です。まぁ、確かに喪に服すのは気持ちが大切で服装ではないのでしょうが、日本とはずいぶん違っていたので驚きました。

式自体もなんだか悲しげじゃなくて、賛美歌の美しい音色にうっとりするくらい。もっとも、私は故人とは一度もお会いしたことない上、棺もないお式だったので(故人の遺言で病院に献体されたため)、あまり実感がわかないような、そんな感じで1時間を終えてしまいました。その後は、そのまま教会で軽食のサービスがあって、それは日本のお通夜みたいなものでしょうか、久々に会う親戚や知り合いと歓談して、ってな風で。もちろん、香典や香典返しなんてものは一切ありません。カードを書いて渡すくらい。冠婚葬祭は、その国のカラーが一番濃く出る儀式だと思っていますが、初めてのお葬式に出席してみて、やっぱりどこか「アメリカン」というか、どこかさっぱりしているのだなぁ、と思いました。