靴は脱ごうよ〜〜

日本と欧米の暮らしの中で、一番最初に「お、違うぞ」と思うことは、「家の中でも靴を脱がない」ってことではないでしょうか。床だろうが、カーペットだろうがお構いなしに靴を履いたままでドカドカ歩けるのは、最初はちょっと「いけない事をしている」ような感覚で楽しかったりもしたものですが、やっぱり家の中は汚れるし、足だって疲れるし。

で、私は決めたのでした。引越しを期に、「この家では靴を脱ぐ、それがルール」と。前のアパート暮らしの時は、「どうせ借家だもんね」とあまりかまっていなかったのですが、「自分の家」となるとそうもいかず、しかもアパートのようにカーペットだとあまり目立たない汚れも、板張りの床だととても目立つことに気づいて、「わたくしは日本人でありますから、この家は日本式の習慣で参ります」とオットに宣言したのでした。日本で暮らしていたことがある彼は、素足で歩く快感を覚えているので文句も言わずに、素直に「玄関」というか、ドアの前で不器用に靴を脱いでおります(笑)。

さてさて、こうやって家族、友人には「靴脱いでね〜〜」と気軽に言えるからいいのですが、これがちょっとうちに出入りする業者の方だったりするとそういう訳にもいかないものです。まず、彼らの中には「靴を脱いで家に入る」なんて発想すらないもので、私が靴を履いていないことに気づいたとしても、「あ、僕も脱がなきゃいかんのかな?」なんて所には到底及ばない。逆に、私としては「ちょっとお願いしてみようかしら」と思っても、彼らの足元を見ると言う気はどっと失せてしまう、だって、がっしりした作業ブーツ履いてるんだもん…あれを脱げっていうのはちょっと気の毒な感じ。さらに、家の中と外を出たり入ったりして作業する場合、そりゃ面倒過ぎるお願いってモノでしょう。そんな訳で、私がいっくら一日をかけて床を「洗い」、「磨き」してもですね、なかなか「土足厳禁」が徹底できない悲しい現状。彼らが去った後、一生懸命床をモップしたりしてますが、やっぱりどこかしら汚れているのか、気づくと自分のスリッパも汚れてるし、靴下なんか「なんで?」ってほど真っ黒になってる時が…。

そんな折、たまたまネットサーフィンをしていたら、同じ悩みを持つ人の掲示板の投稿が目に付きました。それによると、なんとハワイでは日本人の移民が多いせいか、靴を脱ぐ習慣がちゃんとあって、玄関に下げるサインが売られているというではないですか。ほほ〜〜〜、と思って早速チェックすると、ありましたよ。「Remove your shoes」とか書かれてる、可愛いタイル製のサインが。デザインがちょっとハワイ色が濃かったので購入はしませんでしたが、ヒントはいただきました。これなら自分で作れそう。パーティなどで人がたくさん集まるときは、ひとりひとりに説明するのは大変だしね。こういうの、便利かもしれないなぁと思います。

そんな訳で、我が家ではこれからもがんばって「土足厳禁」主義で行きたいのですが、やっぱりこの習慣はまだまだ西洋人には理解しがたいようで。先日、我が家に訪れた義姉がこんなことを言いました。「靴脱ぐってさぁ、じゃ、家の中では何を履くわけ?」って…。だからぁ、なにも履かなくていいんだってばぁ。やれやれ。