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サムライ・サタデー

つい数週間前の土曜日の朝のこと。ちょっとのんびりと起きたので、ぼ〜〜っとコーヒーを飲みながらTVのチャンネルをがちゃがちゃやっていた。と、突然、寝ぼけ眼の頭に日本語が飛びこんできた。ん?なんだ、と思ったら、IFC(「インディペンデント・フィルム・チャンネル」というのだと思ったけど)でやってる「サムライ・サタデー」なる特集で、なんと「座頭市」(漢字、あってる?)なんぞをやっていた。ひえ〜〜い、アメリカで勝新太郎よ!そりゃ、驚くって。

元々インディペンデント系の映画は好きだったので、このチャンネルもすでにチェックはしてあったけど、この「サムライ・サタデー」は知らなかったなぁ。恥ずかしながら、私、実はこの手たぐいの映画は、あまり見たことがないのです。一応、常識として「クロサワ」ムービーでサムライ映画は何本かは見たけれど、それまで止まり。

しかし。ああ、なんてこった。予想外の展開に…。そう。すっかりこの「勝新ワールド」にはまってしまいそうなのです。おいおい、今ごろになってかい。

日本語で映画が見れる、というのも気が楽で嬉しいのだけれど、それ以上に、この「座頭市」の主人公である「イチさん」の人柄に惚れこんでしまった私。お酒が好きで、子供と女性に優しく、正義感が強くて、なんといっても男気がある。しかも、ユーモアもあって、頭もよくて、目が見えないなんて嘘みたいに剣が強い。こんなイチさんが、旅先でいろいろある問題をささっと解決しちゃぁ、格好良く去っていく、というのが大筋なんだけれど。その節々に「ああ、これが日本人だよなァ」と思わされるシーンが多々あって、とてもいい感じなのである。

しかもなにが良いって、イチさんの台詞回しが魅力的です。「いえいえ、お嬢サン、そんなことしちゃ〜いけないよ」とか、「あっしなんじゃぁ・・・」「お前さん、それってぇのは、」とかとか。分かるかなァ、独特のこの台詞の言い回し。ああ、しびれるぅ。イチさぁ〜〜〜〜〜ん!(あれ、私って変?)

勝新という人が偉大な役者だとは聞いていたけれど、彼の晩年はあまりにもいろいろありすぎて、あえて彼の作品を見ようという気にはならなかった。恐らく、この「サムライ・サタデー」を見つけなければ、きっとそのまま、「座頭市」なんて一生見ないままだったと思う。ああ、そうならなくて良かった。偉大な日本映画を見るチャンスにめぐり合えて、よかった、本当に。それにしても、勝新ったら、めちゃくちゃ格好良い。最近は、こういう役者が日本にはいないのが、とても残念に思う。

IFCがこの映画を毎週放映しているのは、単にアメリカ人の「サムライ」憧れみたいなものに応えるためだとは思うけど、日本でもぜひ、今の若い人にもこの映画を見るチャンスを与えてほしいと思うなぁ。本当に偉大な映画だと思います。