アリゾナ、フェニックスでバケーション:その2「ジャパニーズ・バッフェ『Todai』初体験」

噂には聞いていたジャパニーズ・レストラン「Todai」でしたが、なんせうちの近所にないんだから行きたくたって行けないってものです。 だから、今回のアリゾナ、フェニックスでの滞在ホテルの目の前にこのサインを発見した時には、絶対行くぞ!!とオットに宣言した私。 アリゾナまで来て…という気もしないでもなかったが、どうしても行ってみたかったのでした。

さて、それはちょっとアップスケールなモールの中にあったのです。メイシーズやサクス・フィフス・アベニューなどが入っているモールで、高級ブティックが連立しておりました。だから、このバッフェ・レストランでさえ、 入り口なんて、なんとあの「ラルフ・ローレン」の隣だゾ〜〜〜。 すごいなぁと思いながら、真っ白なおしゃれな建物のドアを開けると、1階にはレセプションしかなくて、階段を上がっていくとお店に入れる仕組み。と、すぐに私の耳に飛び込んできたのは「いらっしゃいませぇ〜〜」の元気な店員のご挨拶。こういうところは日系レストランっぽくていいわね、なんて思っていたら、矢継ぎ早に「アンニョンハセヨ〜〜」だって。なんだよ、それ。

店内はコールド・バーとホット・バーが左右に分かれていて、その中央にはすごいの品数のデザート・バッフェ、想像していたよりかなり広い。当然のごとく、私達のテーブルに案内してくれたウェイトレスは「キム」さんで、ちょっと私のことを「韓国人かなぁ」と思っている感じはあるんだけれど、とりあえず、会話は無難に英語で。席に着いてから興味津々で回りを見渡すと、うん、圧倒的にアジア人、それも韓国系が多い様だが、難しそうに箸を使っている白人カップルも多い様子。どうやら、立地的なこともあって、結構ちゃんとしたデートスポットになっているよう。

「じゃ、後はご自由にバッフェをお楽しみくださいね」とキムさんに言われて、ワクワクしながらまずはコールド・バッフェへ繰り出す私。おお、すごい!!お寿司がすごいたくさんある。しかも軍艦巻きでウニやいくらまであるじゃない。これらは日本を離れて以来口にしていないものばかり。握りも、タイ、はまち、まぐろ、とりがいなんかもあって、刺身もマグロブツなんて…、と、日本食に餓えきっていた私には嬉しい限り。他にも、巣の物、たたき、枝豆といった居酒屋定番もあったりして、私はすっかり舞いあがってしまい、話しかけてくるオットへの返答もままならないほど。最初のお皿をお寿司でてんこ盛りにしてさっさと完食。

次は、ロブスター、クラブレッグを「すっかり無口」になってたっぷり頂いて、それから今度はホット・バッフェへ移動。正直言って、こちらの方は伝統的な日本食からはだいぶ遠いですね。まぁ、天ぷら、照り焼きチキンなんてものはあったけれど、他はアメリカ人を意識しているメニュー構成。魚料理が多かったのは、イメージとして「日本食=魚」の図があるからかと思われました。それでも、味噌汁、うどん、ラーメンもあって、私は久々にお豆腐とワカメのお味噌汁、さらに東京風のあっさりおしょうゆラーメンまでいただいて、「もう、だめ〜〜、胃袋がはちきれるぅ〜〜」状態まで食べつづけたのでありました。もう、食い意地がはってるな…。

そんな感じで、毎日100%アメリカンな食生活を送っていた私には、それなりに恋しい味に久々に出会えてかなり満足な一時だったのですが、もちろんこのレストランはアメリカ人向けのジャパニーズ・レストランな訳で、日本で本場の味をいつでも堪能できる方には、ちょっと「?」な味わいかもしれません。「寿司職人」はヒスパニック系で、マニュアル通りに「ご飯を丸めてる」って感じが精一杯だし、ネタの鮮度もちょっと怪しく見えてしまうし。 (実はたらふく食べた後で、当たったらいやだな、と心配した私)

しかも、なんとお値段が高いの〜〜〜。テーブルに置かれたチェックを見て、驚きました。バッフェ2人前とソーダ2杯でなんと、$56!!!!チップ入れたら$60超えちゃうじゃない。うちの近所の中華バッフェの感覚でいたものだから(こちらは二人で$22ほど)、私たちったら、だいぶびっくりしてしまいました。でも考えてみたら、ファンシーな立地だし、さらに、うに、いくら〜〜、ロブスター、かに、だしね〜〜。やっぱり日本でも高いものは、ここでも高いのか。オットに「明日も来たい、って言ったら怒るよね?」と投げかけたら、無言でありました…。

そんなわけで、ずっと焦がれていた私の「Todai」初体験は無事終了したのでありました。あ、それから、日本人として、日本食のバッフェにいながらも「外国にいるみたい」というか、なんとも不思議な雰囲気が味わえた貴重な一時であったことも、付け加えておきましょうね。