アメリカ式結婚式について、なんて書いてみちゃおう

2002年2月2日2時スタート、という素敵なアイディアのマイ・ホストファミリー三女の結婚式に参列して戻ってきたばかりの私ですので、今日はアメリカの結婚式について書いてみましょう。私はこれまで2度、アメリカの結婚式に参列しました。自分の結婚式もアメリカでやったにはやったけど、あれは家族だけのホンの小さなセレモニーだったので、伝統的な結婚式とは言い難いかな。

伝統的な結婚式だと、まず、結婚式前夜からそれは始まります。リハーサル・ディナーと呼ばれるものがそれで、当日の式次第の進行を前夜のうちに確認するわけです。で、それが終わるとディナー。会場の一室でそのままケータリングってこともあったり、またレストランで食事ということもあり、スタイルは様々。でも決して堅苦しいものではなく、とってもカジュアルに。

うん、このカジュアルというのはアメリカの結婚式のキーだという気がしますね。フォーマルなんだけど、カジュアル。

さて、当日は花嫁はブライズメイドを従えて控え室で準備。私はこのブライズメイドだったわけですが、映画などで見かける「花嫁の隣でおそろいのドレスを来ている女性達」がそれです。日本の結婚式のように「花嫁介添え人」なんていませんので(笑)、大抵のことはブライズメイドがお手伝いします。そうして、式の始まるその時まで、花婿と花嫁が顔を会わすことがない様に、しっかり見張っていなければなりません。式の前にお互いが会ってしまうのは「バッド・ラック(悪運)」なんだそうで、これは絶対に守らなければならないみたい。

式はそれぞれの宗教のことが絡んでくるので様々ですが、基本的には日本の教会式と似たようなもんですね(って、欧米のを真似ているんだから当然か)。ただし、「こんなの日本の式で見たことないわ」と思ったのが、式の最後に神父さんが「これで、この二人を夫婦とします」とアナウンスする時に、参列者から一斉に拍手喝さいが起こるのと、互いの家族同士が「ようこそ、我が家族の一員へ」などと言いながら、ハグしたり握手したりすることでしょうか。どうも、日本でよく聞く「娘を嫁にやった」という感覚はここにはあまりないような感じがします。どちらの家族も「家族が増えてハッピー」といった喜び1色で。私は、これは大変素晴らしいと思います。

さてさて。式が終わってしまえばレセプションの開始です。披露宴ってことですね。大抵がDJを雇って、派手な音楽とダンスに終始するので、日本の披露宴のようにスピーチ、またスピーチで退屈するようなことはありません。皆が自由に飲んで、食べて、踊って、楽しんで二人の門出を祝す。このレセプションでのメインイベントは「ファースト・ダンス」と呼ばれるもので、これは晴れて夫婦になった二人が初めてのダンスを披露するというもの。思いでの曲に合わせて、参列者の前で二人だけで踊るのです。このダンスはいわゆる「ダンス」ですから、いざとなるとなかなか難しい。そこで、こういったファースト・ダンスのためのレッスンがあって、大抵の人はこれを受けて練習するのだそうです。まぁ、ここが最大の見せ場ですから、気合も入るというものですね。

と、まぁざっと書きましたが、結婚式自体はおおよそはこんな具合です。細かいことで言えば、日本ではご祝儀としてお金を包みますが、こちらではほとんどが贈り物です。それも「レジストリー」といって、カップルがあらかじめデパートなどに「自分達の欲しいものリスト」を登録してあるので、私などはそのリストから自分の予算に見合って、かつプレゼントしたいもの、を選べばいいわけです。これはとてもいいシステムですよね。自分の趣味に合わないものが、贈られることがないわけだから、無駄がありません。しかもそれに「ギフト・レシート」を付けて贈るので、万が一後で気が変わっても、ちゃんと交換してもらえるのです。すごく合理的で便利です。

それから、引き出物っていうのはないですね。小さなギフト「フェイバー」と呼ばれるものを用意するカップルもありますが、それは大抵キャンディだったりソープ、キャンドルだったり、すごくすごくちょっとしたものです。日本みたいに「清水焼きのなんたら…」なんて発想はありません(笑)。私も自分の結婚式の時に、この引き出物がちょっと気になったのですが(日本人の性ですな)、オットに「なんで、結婚する側が皆にプレゼントするの?結婚式はカップルのためにあるんだから、もらうだけでいいんだよ」というような趣旨のことを言われました。どうも日本の結婚式ではカップルの側が(または家族が)「来てもらってありがとう」という気持ちですが、こちらでは参列者が「式に呼ばれることは栄誉です」なんですと。

実はここでちょっと意識のミスマッチを発見。私の結婚式は家族同士の小さなものだったんですが、ここに私のホストファミリーを呼ぼうかどうかと迷っていたことがありました。結局「国内とは言え、遠方から来てもらうことになるし、来てもらってもこんな小さな式では(レセプションもダンスもないし)存分に楽しんでもらえないだろうし、でも招待状を送ったら『行かなくちゃ』なんて義務感を感じたりして先方も断りにくだろうし、だったら気を使わせちゃうだけだから、ここはもう身内だけと割り切ってしまおう」ということで、ちゃんと手紙を書いて説明した、のですが。先の「呼ばれることが栄誉」の概念から言うと、呼ばなかったことはあまりよろしくないようですね…もう済んでしまったので仕方がないのですが、「マリの式なんだから、どんなことがあっても行っていたよ」と言われてしまった…。私としては精一杯先方を気遣ったはずが、必ずしもそうではなかった様子でして。日本で「今月は3回も式に呼ばれちゃって、大変」なんて会話に慣れていたもので、つい、気を回しすぎました。彼らのホスピタリティはやはり素晴らしいものですね。

おおっと、話しが本題からズレ気味になりましたが、こんな感じで日米結婚式の違い、お分かりいただけたでしょうか。どっちにもそれなりの良さがあって素晴らしいと思いますが、日本でポピュラーな教会式、無宗教の人々がその日だけ教会に集って「I do」とか言っちゃうのだけは、彼らにはわかってもらえないと思うけどね〜(笑)。

私は今になって白無垢着てみたい衝動にかられていますよ、なんでだ?今度日本に帰ったら写真だけ撮ろうかな〜。