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お隣さんの引越し…秘話

ああ、驚きです。もう10月とは…。日本にいた頃なら、「年賀状が…」なんて気になりはじめる頃でした。
こちらは、ハロウィン(10月31日)一色になってきました。この日を最後にサマータイムが終わります。ここNY州のヘソではすでに夜は長く、個人的には「もう時間を進めてほしいわ」なんて思っています。

さて、先日、アパートの向かいの住人が引っ越していきました。(と、その時は「そう思った」訳なんですが。)その住人は私がここに越して来た少し後に引っ越してきた若い男女のカップルで、彼のほうはミュージシャン、彼女の方は学生(?)という風情。「ずいぶん、違う雰囲気のカップルだよね〜」などと、余計なお世話でオットとは話していたのですが、彼は彼女を「フィアンセなんだ」と私には話していました。

昼間家にいる私なので、アパートの住人の出入りは自然とわかってしまいます。彼女の方はいつも朝早く、私が起きる頃(朝7時)には家をでていきます。ところが、働き盛りでだろうはずの彼だけはいつも日中も家にいるのでした。そうして、うるさい!ほどの超大音量でロックを聞く。聞くだけならいいのですが、たまに一緒に歌っている時があって…。しかもそれが音痴ときてる。静かな午後を過したい私にはたまりません。何度か管理人さんに注意してもらったのですが、すぐまた同じ状態というありさまで。ところが、彼、実はまじでミュージシャンだったのです。プロなのかアマなのか未だ不明ですが、週末には「これからコンサートなんだ」といって、大量の機材を運び出し、フェイク・レザーのてっかてかのパンツに、ブロンドの長〜いカツラかぶって出かけていくことがしばしばありました。「気持ち悪いよね〜。似合ってないし、音痴なのにね〜」とまたオットにぼやく私。

さてさて、そんな彼と彼女。特別仲良くもなかったのですが、うるさいことを除けば彼はとても「いい奴」だったし、彼女は大人しい「いい人」だったので、荷物の運び出しが始まったことに気づいてから、ちょっぴり寂しい気すらしていた私。彼らはうちと同じ様なルックスの純血種の猫を3匹も飼っていたので、うちの猫シッターを頼もうかとオットと話していた矢先だったし、「なんだ、引っ越すなら一言言ってくれよ〜」と思ったりもしていたのです。

ところが。今朝、郵便を取りにいったら、階段から「彼」が降りてきたではないですか!いつも通り「元気?」と話しかけられたので「うん」と答えたものの、一瞬「???」となり、「あれ、引っ越したかと思ってたよ」と私。「そう。彼女だけが引越したんだ。俺たちブローク・アップ(別れた)したんだ…」・・・げ。思いっきり気まずい私。「ああ、それは残念だったわね」辺り障りのない答えしか思い浮かばない…。「おれも、すぐに引っ越す思うんだ。ステュディオ(日本のワンルームみたいな部屋)みつけたから」「そっか…」「ま、仕方ないよ。see you」と行ってしまった彼。

そうか、そうだったのか。それにしても、彼女が越すとき、ベッドもカウチもダイニングテーブルも持っていったけれど、彼は大丈夫かしら?と心配になった。言葉通り空っぽの部屋で一人過しているなんて、ちょっと可愛そう。まぁ、どんな事情があったのか知らないけれど。人生はいろいろだから頑張ってね、となりの部屋で密かに彼を応援している私なのでした。